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咲くさくら 散るさくら☆出会いと別れ・・・ベルの作品 花の手書き絵 パート25

ジッリリリーン! 朝早く電話のベルが鳴り響いた。まだ夢の中だった私は飛び起きた。大好きだった天草の 主人のおじさんが 永眠されたという知らせ・・。実の姉弟は2人きりになっていた義母にどう伝えようか・・。1か月前にお見舞いに一緒に連れて行き 面会できていた事がせめてもの救い。もうだいぶん暖かくなったので 又逢いに行こうねと計画していた矢先の訃報・・。言葉もない・・・。

急ぎ駆けつけたい心を抑え しばらく留守にする事を覚悟して話し合う。主人も 去年ご縁を頂き1年間係わって楽しみにしていた子供達の卒園式を諦める。そして こちらでするべき事の確認と忘れてはいけない事をメモに取る。たくさんあった。ひとつひとつ出来たことを消していき全部用意が出来た時は昼2時を過ぎていた。おばあちゃんを支えて主人の自動車に乗り込み 1時間ほど過ぎたころ朝からなにも口にしてない事に気づいた。コンビニで買ったパンとコーヒーを流し込み 渋滞ぎみの道路にあせる。隣の町に住む義姉のところに着いたのが6時半。7時から御通夜に駆けつける。

きれいにしっかりと飾られた祭壇の中央に にっこりとほほ笑むおじさんの顔があった。いつも優しく笑って小さい声で人を褒めてくれる人でした。ご縁を頂いたのは 私が結婚した39年まえ。それからいつも変わらず にこにこと笑顔で逢ってくださいました。10年前の写真だそう。今の写真もロマンスグレイで素敵だけれど 若いころ相当なハンサムで30年前初めて遊びに行った時 若い頃の写真を見せてもらったら映画俳優のようでした。そのころ流行ったマドロス姿で 光輝いていた憧れのおじさん。

「先生、出会いがあって別れがあるって本当だね。・・・」これは 私の長男が4年生の時の先生との交換日誌の書き出しの一文。その息子も今38歳。去年暮 天草に御先祖様のお墓参りで訪れた時 おじさんは元気でいつもの穏やかな表情で迎えてくれてたくさんの野菜を貰ったって寄ってくれて「良かったね。」と話したのはつい3ヶ月前。あの文章を盗み読みした時は 生まれてまだ10年しか経験していないのになんてませた事を!と吹き出したのに ほんとにそうだねと今思う。 80歳まで現役の船長さんをして引退した後 野菜作りに精を出し たくさんの野菜や高菜の漬物たくあんなどを 樽ごと送って下さいましたね。「さようなら おじさん。頑張りましたね。ゆっくり休んでください。たくさんのやさしさを有難うございました。」

御通夜 ご葬儀 見送りと3日後に帰途についた。帰る道々山の中や島々 道や堤防のわきに咲き誇る満開の桜をぼんやりと見ていた。行く時も咲いていたのでしょうが気にも止めなかった。桜が大大大好きで あちこちの桜を眺めては感激する私が その時は哀しみ色のまっしろいさくらに見えた。Photo往年の名歌手 三波春夫さんも桜を待って待って待ち焦がれて逝かれたのだそう・・・。  その時の辞世の句     「逝く空に 桜の花が あれば佳し」

仕事を辞めた今年こそいっぱい桜を描くぞ!と張り切って道の駅で買ってきた かたい蕾のついた桜の幹が 満開になって玄関前に咲いていた。リビングでは グラスに挿した桜の小枝から はらはらと花びらが台の上にこぼれていた。あっという間の3日間の長さを ひしひしと感じた。

048 数年前に描いた 桜の花のタペストリー

     (絹 仕上げは手製)

  かっては娘の部屋だった空き部屋に見  上げるように下げています。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

出会いと別れ、これは生まれてきて避けられないことですね。
私も最近、寝る時に良く思います、今日も元気に過ごせたなーなんてね。
歳を重ねて弱気になっています。(^^♪
そして、仏様に手を合わせ、健やかにお過ごしください、そして明日も私たち家族が平凡に過ごせますようにと毎晩お願いしています。
おじさまも、今頃は安らかにお眠りですね。
何時までも忘れないが供養ですかね。(^^ゞ

投稿: | 2009年3月29日 (日) 22時12分

失礼しました。名無しは私です。OSADA

投稿: OSADA | 2009年3月29日 (日) 22時19分

いろんな 出会いと お別れと ・・・・
最近時々思います。
自分が歳とって まわりも ・・・・
「 今 」 を大切にしようと思います。
ベルさんのように。
有難うございます。

投稿: こもれび | 2009年3月29日 (日) 22時31分

OSADA 様
さっそくのうれしいコメント ありがとうございます
ほんとに 出会いと別れ 避けられないですよね。
それも 別れは歳を重ねる毎に増えていくんですよね
長男の嫁として 仏様をお守りしてきましたから一層 義母の朝夕のお参りを見ながら 感じます
主人も朝の神様仏様の 花水替え 水とお茶上げなど すすんでしてくれる様になり 私の心の負担が ふんわり軽くなっています
毎月1日には 5時に起きて 家の周り車の周り玄関の両端に安全祈願を願って塩を置いてくれています。いろいろどんどん する事も自分で増やしているようですが・・・
有難いと思っています。 

OSADAさんの 御仏様とご家族の事を思っての毎晩のお参りに感動します
そういう御心がけだからこそ 皆さん誰もがうらやむベストショットが 神がかりで撮れるんだろうなあ と思います
仏様も 見守っていられるのですよ
だって どのコメント読んでも OSADAさんならでは と称賛されていられますもの

私は 朝は無心のお参り 夜は感謝の気持ちで床に就く様 心がけています

投稿: ベル | 2009年3月30日 (月) 09時30分

こもれび 様
うれしいうれしい コメントありがとうございます
ほんとに・・・
出会いと別れ・・・。
親 兄弟姉妹 子供と孫 親類 自分の周りのご縁があった方々 ・・・。
いっそう 大事に濃密に関わらなくてはと 感じます
これからの生き方が 問われる年代ですね

>「 今 」を大切にしよう
ほんとに そうだと思います。この一瞬の過ぎた時間はもう戻らぬのだから・・・。

帰ってきた一昨日と昨日 力が抜けたようになにもできずにただぼぅーと過ごしました
今日 主人は 保育園の見守りに出かけました
どんなにか 卒園式を見届けたかった事でしょう
私も えいっと力を入れて いつもの行動パターンに戻りましょう

投稿: ベル | 2009年3月30日 (月) 09時52分

ご愁傷さま!
近頃は、夜中や早朝になる電話に出るのは
怖いです。不幸の連絡ばかりで、その度に
熊本まで帰ったりしてます。
しかし、こんな時でないと親戚の人とは、
なかなか会えませんね!
6月中学の同窓会が天草の「ホテル華椿」で
開催されるようですので、帰るつもりです。

投稿: watami | 2009年3月30日 (月) 22時09分

watami 様
嬉しい嬉しいコメント 有難うございます
そうですね
思いもしない時間帯は ドキッとしますね
願わくは うれしい楽しい連絡に電話を使いたいのですが、、、。

watamiさんの御郷里は熊本ですか?
主人の父も母も 熊本天草 です。
本当に こういう時たくさんの親戚の人とお話をしますねぇ~。
何か事ある毎に 義母と一緒に出席していますので だいぶんお顔も判ってきましたが はじめはパズルのように 複雑でした

今日は思い切って 普段の生活に戻ろうと決心して 掃除洗濯をした後 実家の母に逢いに行って 3日のお餅つきを約束して 次に佐賀県に住む叔母のところに行って たくさんの野菜を収穫して 近所の一人暮らしの方とお話をしてもち米をわけて頂き 畑の片隅に咲いていたお花をたくさん頂き 又母のところへ行っておすそ分けをしてお花を飾り 夕方家に帰って野菜の仕分けをして 娘のところへ届け 帰って夕食の用意をしました。
あ~ぁ~ 今日も花の絵が描けませんでした。
明日 描けるかなぁ~。花瓶の中でしおれていたたくさんの花を 活け替えしました。今度はしおれないうちに 絶対描かなきゃーと決心しました。

投稿: ベル | 2009年3月31日 (火) 02時05分

お叔父様のご逝去、謹んでお悔やみ申しあげます。
桜とともにお別れしたのですね。
しばらくは何かとお忙しいことと思いますが、お体に御留意下さって努めてくださいね。

タペストリーは素晴らしいですね~。
こんなに素晴らしい絵をお描きになるベルさんはプロ並みですね。本当に素晴らしいです。

投稿: kyumama | 2009年3月31日 (火) 21時16分

kyumama 様
お言葉掛け頂き 有難うございます
本当に 桜と共にお別れした思いです
今 こちらでも満開だった桜が あちこちではらはら散り始めています。時の移ろいは早いもので そうこうしているうちに 4月となりやがて初夏となっていくのでしょう。今 義母は気丈にも元気そうにふるまっていますが やがてただ一人の実弟を亡くしたという実感がこみあげてくるでしょう。

kyumamaさんは お嬢様のご結婚という一大イベントを控え 大忙しの毎日の事と思います。お体気を付けられて お嬢様との充実した日々をお過ごしください

桜の花のタペストリー。kyumamaさん 褒めすぎです。恐縮です。ただただ 毎日桜の花見たさに描いて 手縫いして下げているもので 反省点はぎっしりです。家には3つも桜の花の絵が1年中下がっています。表装クラブに通うようになったので 今年こそ 桜の花を描いて正式に裏張りしてピシッと作ろう と決心した矢先でした。時の移ろいは花で感じます。自分で描く時間が無くっても kyumamaさんやitokeさんが描かれた絵を見せて頂き 満足している私です。 

投稿: ベル | 2009年4月 1日 (水) 00時29分

人の死は避けられないもの・・と
分かってはいても
近しい方との別れは
辛いですよね。
心よりお悔やみ申し上げます。

身近な人との別れがあるとき
いつも思い出す詩があります。
石垣りんさんの“幻の花”です。
(ネットで検索してみてください)
人がこの世を去るとき
手を引いてくれる誰かがいて
先に逝った人達の待つところへ
一緒に行くのだろ・・と思い
悲しみが少し薄れるような気がします。

いいですよね。
桜の花はとても優雅ですけれど
短命なことと散り際の美しいことから
人生観・死生観に通じるものがあって
こんなにも美しいのに
なぜか物悲しく感じ思えて・・・

ベルさんの描かれたタペストリーの桜も
胸がキュンとなりそうです。

散る桜 残る桜も 散る桜  
          良寛

投稿: くぅくぅの母 | 2009年4月 4日 (土) 14時04分

くぅくぅの母さま
うれしいうれしいコメント 有難うございます
御言葉掛け 有り難くお受けいたします

石垣りんさんの詩集 拝見しました
ひとつひとつのことばが 重くずっしり感じました。おもに 死と向き合う思いが込められていました。今まで考えたり思ったりしてはいけない事として 避けて生きてきましたが、これからはじっくり向き合わなければいけないテーマだな と思いました

ほんとに 桜は美しすぎて 物悲しくなりますね。花見でお酒も入りワイワイガヤガヤやっている時は さみしさなど感じないのですが、一人っきりで誰もいないところで桜を見上げる時は なぜか時の流れを憂ってセンチメンタルになります

今日は無情の雨が降り 満開の桜もだいぶん散りました。
爛漫の桜も大好きですが しっとりしたこの雨も大好きです。
一夜あけたら 新緑の若葉が顔を覗かせてくれているでしょう。

投稿: ベル | 2009年4月 4日 (土) 21時27分

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